街録チャンネルっていうYouTubeチャンネルがあるんですよね。
タレント、一般人問わず、その方の壮絶な半生をインタビューするっていう趣旨の番組でして…。
実をいうとこういう番組あんまり好きじゃないんです。
おそらく誰だって、人生を語らせたらまあまあ壮絶っすよ。
でもわざわざ言わないのが暗黙の了解というか、マナーなのかなって思ってる節があって。
(あくまで個人の感想です。言いたい方は言えばいいと思う)
でもこの方の話は見てよかった…。
なぜかお勧めにあがってきてなんとなく見たんですけど。
この方、顔のあざでインパクトがあるんで、たぶん何かのメディアで拝見してて、なんとなくは知っていたんですけど、こうやって話されてるのを見るのは初めてでした。
私が一番いいなあと思った言葉が「治せるもんなら治してますよ、めんどくさいもん、こんな顔で生きるの」っていう発言だったんですよね~。
めっちゃめちゃリアル。
あと「昔はこういう見た目問題への偏見をなくしてやるって思ってたけど世の中はそう簡単に変わらないわ」みたいな言葉も、現実味があってよかったです。
すぐにやらせを疑う癖がある私ですが、この方のこういう飾らないお言葉は真実だと思えました。
そりゃあそうだよね…だれだって綺麗な顔で生まれたい。
顔のあざなんてハードモードすぎる。
はっきり言って、もし私がこの方だったとして、○○さんのあざ、全然気にならないですよ~って誰かに言われても、信用できないですもん。
絶対最初気にしたやろ?って思うし。
あとこの人今は離婚されてタクシーの運転手されてるらしいんですけど。
こういう表現が適切かどうかは別として、いわゆる「勝ち組」とか「成功者」の部類じゃないのもまたいい…。
「こんなハンデあるけど成功しました!ドヤ!!」みたいなまとめ方だと、かえってしらけちゃうんだよね。
なんかわざとらしくて。
それじゃあ、本当の意味で世の中の弱者に寄り添うことは出来ないから。
その意味でも私は乙武さんの「障害は個性だ」みたいな主張って違和感ありましたもん。
結局成功者、もっと言えばタレントさんやんな、って昔から思ってた気がします。
まあ乙武さんも教員時代壮絶ないじめを経験されて自殺も考えたっておっしゃってたし、人の痛みが分からない方だとは思わないんですけどね。
この石井さんの「治せるもんなら治したい」はこの世の真理そのものだと感じましたね…。
血管腫ってなかなか治せないっぽいですね。
しかも出血すると非常に厄介らしく…。
多分石井さんもね~、何度も何度も、葛藤したと思うんです。
これは自分の個性なんだから受け入れよう、みたいに思う瞬間も、長い人生の中できっとあったんじゃないかな。
でもその都度「やっぱり無理だわ」みたいな気持ちになったんじゃないかな~。
天が無作為に、無責任に与える課題って、そう甘くないっていうか。
一緒にしたらめっちゃ失礼な話なんですけど、私もちょっと治すのが難しい病気持ってまして。
これも20代のころさんざん試行錯誤してきて。
30になったころにはだいぶ落ち着いてて、「もう大丈夫だわ」みたいに思ったんです。
でも現実は甘くなかった。
30過ぎるとまた自分の中でいろんなバランスが変わって、20代のころに培ったコツみたいなものが通用しない、しんどい時間が増えてしまって。
生きてる限り逃れられないんだな、って再確認させられた気がします。
それでもまた自分を立て直して生きていかないといけないから。
本当に、人生って何歳になっても課題が現れるんですね~。
何事も一筋縄ではいかない。
一緒にしたら失礼なのは百も承知なんだけど、この方も長い人生の中でずっと自分の見た目問題と向き合って、あきらめては絶望して、また起き上がって、を繰り返してきたんじゃないのかな~。
今だってきっと、本当に治したいんだろうし。
私には石井さんはとても人間味があって面白そうな方に思えました。
きっといいタクシーの運転手さんなんだろうな。
大変なハンデをもっておられるのに、タレント気取りでも作家気取りでもなくジャーナリスト気取りでもない、普通のおじさんなところが、一番いいなと感じました。
きっと私は、行儀よくまとまった話が信用できないんだな笑