私は絵画が得意なんです。
小学生のころ何枚賞をもらったかわからない。
だけど子供のころから美術ってそこまで好きじゃなくって。
音楽は絵に比べたら全然出来ないくせに、小学生のころからピアノ(これは親にやらされたんですが)学生時代は吹奏楽と、あまり出来もしないのに、苦手な音楽にずっとしがみついていたんです。
いくら練習しても周りに比べたら出来てなくって、萎縮しちゃうから人間関係も全然うまくいかなくて、悪循環で、でもなぜか音楽が好きで、っていう矛盾を抱えておりました。
まあ最終的には音楽の人間関係のドロドロに疲れて辞めて、そのタイミングでなんとなく絵を描き始めたらやっぱり何も考えなくてもすらすら描けるから、音楽との違いに驚いたのと同時に人間の適性というものを改めて考えました…。
かといって好きじゃないのに美術部に入ってたとして、幸せではなかっただろうけどね…。
出来ることって、初期設定で最初から出来ちゃってるから、ありがたみが分からないんですよ。
出来ないことにあこがれを抱いてしまう。
好きだけど自分が苦手なことをやるのと、得意なことをやり続けるのと、どちらがいいのか。
30過ぎてなんとなく思うことがある。
多分、脳みそが柔らかい若いうちは(10代とか)は苦手なことに挑戦したらいいと思うんですよね。
人生長いし。色々真剣にやってみることは、柔軟な若いうちにしかできないような気がするんで。
だけどある程度の年齢になったら、得意なことにシフトしたほうがいいと思う。
社会に出てからの仕事なんかまさにそうですもん。
苦手なことだけどやりたいことって、周りに迷惑かけるだけなんですよね…。
例えば私みたいな人間が看護師になったら大変です。(実はもともと看護出身。親に資格を取れと言われて目指しましたが向いてなくてなれませんでした)
何人殺すかわからない。
ぶっちゃけヘルパーも向いてなかったし。
だけど介護助手っていう仕事には異様な適性がありまして…。
深く考えなくてもめちゃくちゃ評判いいんですよ。
別にやりたかったわけじゃなくって、自然に気づいたらやってたことなんですけど、それが適性なんだよなあ…。
自分の意志とは関係なく、むしろやりたくなくてもやらされちゃって、喜ばれること。
これを見つけて極めていく、っていうのがたぶん大人になったらめっちゃ大事。
よくいるんですよ、看護師さんに向いてないのにお金が、とか、憧れてたから、っていう理由でしがみついてる方。
多分本当はもっと自由に、楽に生きられるお仕事がその方にはあるんです。
プライドとか、世間体とか、承認欲求から来るやりたいこととか、そういうのを取っ払った先に、天職がある。
私はそう考えています。
ある程度の年齢になったらやりたいことより出来ること。
それを極めることが人生をちょっとだけ楽に生きるヒントかなって思ってます。
自分の場合は出来ないことが多すぎて、もし適性という考え方に出会ってなかったらどうなっていたことか…。
今考えても恐ろしい。
出来ることを分析して、人より上手くできることをどんどん伸ばしていく方が、自分にとっても周りにとってもいい影響があるに決まってるから。
出来ないことにしがみついて自分も周りも不幸にしてる人がまだまだ多いように思うけど、自分の欲求より周りに頼まれることをやっていく方が結局人生は豊かになると思う。
求められなくて怒られてばっかりで失敗ばかり、っていう環境は合ってないんです。
心とからだを病むだけです。
人から自然に感謝されて体もそこまでしんどくない仕事ってのがおそらく天職。
でもそれはやりたくないことや、ちょっと嫌なことだったりする。
そのエゴを超えていった先に、新しい景色は見えてくるんだと思う。
そういうからくりがあるから人生って奥が深いんだろうな。